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研究

血糖調節機構や腎機能を中心に、生体が外界の変動に反応して内部環境を調節するシステムについて、関連分子の動態解析を通して解明をはかる。先端的な光学機器や蛍光標識技術を用いて生理現象の測定法を新規に開発し、その運用を通して糖尿病医療へ応用する可能性を模索する。

インスリンは個体の代謝・成長に重要な役割を担い、その分泌異常は糖尿病の成因に深く関連する。分泌量や速度、および顆粒をはじめとした細胞内小器官の動きが、 さまざまな生理的状況下で調節されるメカニズムにつき、高速共焦点顕微鏡や2光子顕微鏡などのイメージング機器を用いて検討する。また、各種の疾患モデルとなる遺伝子改変動物の解析を通して、現象の変化を定量的に検出し分子機序の解明を進める。

分泌現象の可視化と並行して、主要な調節因子と目されるカルシウムやcAMPの細胞内濃度を実時間測定するために、蛍光プローブを適宜改変して活用する。実験の遂行に当たっては東京大学大学院医学系研究科構造生理学部門と連携して、共同研究と機器利用を予定する。腎臓尿細管におけるイオン輸送機構の解析も継続して推進し、イメージング手法や免疫組織化学、in situ ハイブリダイゼーション法、発生工学などを組み合わせて解明する。