2026年10月3日(土)、北里大学白金キャンパスにて、感覚フロンティア研究会・感覚コンソーシアム・大阪大学蛋白研セミナーの共催による「第9回感覚フロンティア研究シンポジウム」が開催されました(ポスター図)。当研究室は藤岡教授を世話役として、シンポジウムの事務局を務めました。現地とオンラインのハイブリッド形式で開催し、全国から約100名の方々にご参加いただきました。開会にあたっては、感覚フロンティア研究会(感覚フロンティア研究会)代表の坪田一男先生(慶應義塾大学名誉教授)より、「感覚」と「感性」の融合という新しい研究分野への挑戦についてお話しいただきました。また、感覚コンソーシアム(リンク)理事長の古川貴久先生(大阪大学蛋白質研究所)からは、コンソーシアムの実現に多大なご貢献のあった故・高井義美先生のご紹介と追悼のお言葉を頂戴しました。
今回は、13時から18時まで、視覚・聴覚・平衡覚・体性感覚(触覚)・嗅覚の各分野から、解剖学・遺伝学・生理学などの基礎研究、遺伝子治療など最先端治療法の導入、企業での研究と、様々な立場で第一線を走る6名の先生方を講師としてお招きしました。普段のご講演ではなかなか伺えない、実験系の立ち上げにまつわるご苦労などの裏話も含め、それぞれの研究の歴史と現況をじっくりとご紹介いただきました。全体を通じて特に感銘を受けたのは、各先生方の「測定したい事象があるのならば測定装置を開発する」「データベースがなければデータベースを作る」「診断基準がなければ診断基準を作る」といった、研究の最前線=フロンティアに立ちはだかる様々な障壁を正面から突破していく姿勢です。ご講演ではさらっと流される一言や一枚のスライドの背後に、ご本人だけでなくどれほど多くの共同研究者や研究を支える事務スタッフ、医学研究においては患者さんとそのご家族の協力があったのかを想像し、大変感銘を受けました。どのご発表も専門外の者にもわかりやすく、時にはユーモアあふれるイラストも交えながら、深い内容と豊富なデータに裏付けられた説得力のあるものでした。質疑応答も活発に行われ、予定時間内にシンポジウムを終えることができたのは、座長の先生方の的確な進行のおかげです。今回のシンポジウムで得られた知見や刺激が、参加された皆様の今後の研究の発展につながれば望外の喜びです。
シンポジウムの準備・運営にあたっては、研究室のメンバーがそれぞれの役割を担い、当日も長時間にわたって準備・運営に尽力してくれたことに深く感謝しています。今回の経験を通じて、学術集会の開催には講演内容だけでなく、広報、財務、進行管理など、多岐にわたる準備と連携が必要であることを改めて実感しました。準備の過程ではAIを用いた業務管理なども試みましたが、その有用性と課題の両方を知る機会となりました。私たちは、研究成果を発表するだけでなく、異なる分野の研究者が交流し、新たな研究の可能性を探る場を作ることも、研究室としての大切な活動の一つだと考えています。今回の経験を今後の研究活動や学術交流に活かしていきたいと思います。(務台英樹)
