オミクス研究と生成AIの急速な進歩により、遺伝学にまつわる全ての基礎医学は、研究方法から応用まで、過去にないスピードで変化・変容しています。
数年来、大規模オミクスデータが世界中の研究者の間で共有知として公開されてきましたが、一方で、データの濃縮(enrichment)にはプログラムの基礎知識と高度な数学・統計学の経験知、計算資源が必須でした。2025-26年、生成AIが急速な普及フェーズに突入し、この状況は一変しました。今では、専門家の手ほどきさえあれば、誰もが大規模公開オミクスデータでunbiasedな観察研究を始められるようになりました。
新しい技術は、それが普及フェーズに入ってはじめて、革命的な社会変容に至ります。我々が直面している現状は、いわば「AIオミクス研究の民主化」そのものであり、このプレイヤーの急速な拡大により、情報をベースにした全ての研究が「仮説先行型」から「データ駆動型」へ本格的に移行しつつあります。科学者が何となく考えていた“あるべき姿”を実行する環境が、2025-26年、ようやく整いつつあるということです。今我々は、きっとのちに「AI-オミクス革命」とでも言われるべき時代を生きていて、そしてこの潮流は今後ますます、急加速すると考えられます。
変化の時代で大切なのは、変化に対応すること、そして変化を創ることだと、教育の現場で私は常々申し上げてきました。一方で、適応力・対応力は、若い世代にこそ強みがあるはずです。みなさん、ぜひ私たちと、新しいサイエンスの世界を創っていきましょう。藤岡研究室は、志のあるすべての人を心から歓迎し、応援します。
藤岡 正人 2026年10月1日