○○で子どもの成長を見守ります。○○区○○○町、第54回日本小児神経外科学会

会長　隈部俊宏より

この度2026年6月5日から6日に開催予定の第54回日本小児神経外科学会学術集会の会長を拝命いたしました、北里大学医学部脳神経外科教授・隈部俊宏でございます。1972年からの長い歴史のある本学会を開催させていただけることを、教室員一同大変光栄に存じております。

　今回の学会のテーマを、「小児神経外科の将来を思い描こう」と致しました。そして副題を、「桜咲く」とさせて頂きました。ポスターの桜の写真は、太い幹の上の青空の中に桜が花開いています。日本人が愛してやまない桜が咲くためには、原点が必要だということを強調したつもりです。

私、隈部俊宏は、東北大学にて27年、北里大学にて現時点で12年、小児脳腫瘍治療を勉強させて頂きました。東北大学では小児奇形・もやもや病を中心として小児神経外科領域の疾患を多く直視させて頂き、北里大学では外傷・脳動静脈奇形・水頭症・新生児期脳内出血等を治療させて頂いております。全ての小児外科領域をそれらの領域のspecialistとして活躍されている先生のような深い理解は当然の如くできておりませんが、教授として年齢を重ねたこともあり全体像を見渡せるようになったと思います。また4年前からJCCG脳腫瘍委員会の委員長を拝命しております。小児脳腫瘍に対しては、2016年以降急速にJCCGを活動母体として、小児科・小児腫瘍科・脳神経外科がまとまって臨床研究・レジストリ構築を行えるようになりました。AMED等からの研究費獲得やまとめ役としての立場の重さをひしひしと感じております。さらに小児神経外科では患者会との関係も重要になりますが、12年にわたり公益財団法人がんの子どもを守る会での仕事に関与させて頂いております。

　伊達勲前理事長の日本小児神経外科学会ホームページにおけるご挨拶には下記のような記載がありました。「本学会会員の大部分は脳神経外科医であり、日本脳神経外科学会の会員です。また、本学会は日本脳神経外科学会の分科会となっており、分科会としての機能を発揮していくことも重要な役目です。」すなわち本学会は、日本脳神経外科8分科の中で脳血管障害や脳腫瘍と並んで、「小児」というサブスペシャリティー領域を担う重要な学会であります。

また本学会の目的は、「小児神経外科学の発展とその関連医学の進歩を促進し、小児神経外科学に関する教育と訓練の充実に寄与することを目的とする。また、会員相互間および内外関連機関との連絡を図り広く知識の交流を行い親睦を深めること」と記載されております。今回の学会の基本はここに記載されている正にこの大きく2つにあります。

前者に関しては、現時点で次のようなメインテーマを考えています

1.国家としての小児医療に対する未来構想
2. 小児水頭症に対する
3.小児もやもや病の現状と将来

•         手術療法のstandard

•         長期予後（成人期）の実態解明

4.        小児脳腫瘍の現状と将来

•         小児がん拠点病院化その後：アンケート調査結果報告

•         小児神経外科医への希望：患者会・小児科・放射線科・産婦人科・小児外科・心臓血管外科から

•         現存する登録事業の悉皆性と改善方法

•         病理・遺伝子診断の現状（問題点）と将来構想

•         がんパネル検査と阻害剤使用の現状・臨床試験・将来

•         手術療法の進歩・現状・将来構想：集約化は可能か？

•         標準的治療方法（教育講演）

•         放射線治療晩期障害：JCCG大規模レジストリの研究結果

•         臨床研究の開発状況：世界的な状況・PMDAの立場から

また、例年のように教育セミナー（WEB開催）と、山崎麻美先生の記念セミナーを開催したいと思います。

後者の「交流・親睦」に関しては、鎌倉という魅力的な場所で開催することとによってかなりの部分は達成できるとは予想しますが、学会プログラム自体を魅力的なものとして多くの参加者を集めるとともに、楽しい会員懇親会の開催にも力を注ぎたいと決意しております。

　合言葉は、「いざ鎌倉へ！！」です。このように学術的にも、親睦の場としても重要な学会を鎌倉プリンスホテルにて開催致します。この学会を開催するためには、皆様のお力をお借りしないと完遂することは到底不可能です。ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和7年6月吉日
隈部俊宏
北里大学医学部脳神経外科　主任教授

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