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第35回日本下垂体腫瘍学会は、2025年2月に開催いたします。

ご挨拶

ご挨拶





この度、第35回日本間脳下垂体腫瘍学会を2025213日(木)・14日(金)に私の母校があります神奈川県のワークピア横浜で開催させて頂く運びとなりました。北里大学メデイカルセンター、北里研究所ならびに北里大学医学部脳神経外科学としまして本学会を開催させて頂くことに教室員一同大変光栄に存じております。
副会長には各分野でご高名な先生方にお引き受け頂くことが出来ました。放射線画像診断部門からは大阪公立大学放射線診断学・IVR学教室の三木幸雄教授に、内科部門では東京女子医科大学内分泌内科学分野・基幹分野長の大月道夫教授に、病理部門では森山記念病院診断科の井下尚子部長にお引き受け頂くことが出来ました。
私が間脳下垂体腫瘍を研究する背景になったのは実は医師になりたての1986年研修医時代に遡ります。くも膜下出血後に低Na血症になる患者が多くその原因の一端に「抗利尿ホルモン」が関与している可能性がありそうだと言う論文が相次いだことです。ここから微量なホルモンが全身臓器に与える影響の大きさを知り、脳神経外科専門医を取得した後にホルモン研究をする対象として間脳下垂体腫瘍分野を選択したわけです。1992年北里大学病理の亀谷 徹教授の教室に入り、この分野の分子病理を基礎から叩き込まれGH受容体、GHRH受容体の発現と腫瘍増殖について研究報告しました。その頃、当教室で手術した下垂体腫瘍と診断されていた症例がどうしても典型的な下垂体腫瘍と思えず、トロント大学のKovacs教授に相談したところ「このような腫瘍は見たことがない」と言われ、世界中の権威の先生方に電顕・免疫組織化学的解析をして頂き、下垂体分離腫(同一腫瘍内にACTH産生腫瘍と副腎腫瘍が混在する世界初の症例)であることが判明し、論文にしたことがきっかけでKovacs教授のお弟子さんであったScheithauer教授とLloyd教授を紹介され、お二人がいらっしゃる米国Mayo Clinic1996年から2年間留学させて頂くことになりました。Scheithauer教授のもとでは日々腫瘍病理診断を行い、特にAT/RTの本邦発の論文や世界的レビューを手掛け、Lloyd教授のもとではPACAPGHRH受容体発現と腫瘍制御に関する分子病理学的研究を行いAmJPatholをはじめとする多くの論文を執筆させて頂きました。
 さて、今回のメインテーマは、「叡智と実践(Sopia kai Ergon)」とさせて頂きました。このタイトルは北里大学の学祖である北里柴三郎博士の座右の銘です。「叡智」が研究・診断・教育に当たり、「実践」が手術・放射線・内科的治療を指します。最近の本学会は手術手技が大きなテーマになる傾向がありましたが、第35回では各分野を網羅し、基礎研究から内科的診断、放射線学的診断そして手術と内科的治療、摘出標本を用いた病理診断学を駆使した正確な診断、そして安全確実な手術治療等、間脳下垂体腫瘍診断と治療に関わる分野を広く課題にしたいと考えています。
間脳下垂体腫瘍を診断ではpituitary adenomaと言う診断名が無くなり、PitNETに変更となり、診断上の大きな変化がありました。このPitNETは従来の下垂体腺腫とは異なり悪性腫瘍に分類され、社会的にも大きな影響を与えることとなりました。また、放射線診断部門ではAI活用が目覚ましく、内科的診断や治療薬も新しく開発されてきており、これらに最先端情報を共有できる学会としたいと考えています。これらを中心に特別講演・教育講演・シンポジウム・一般口演を企画することを検討しています。また、教育セミナーに加え、新しい試みとして診断や治療に難渋している症例を応募頂き、皆さんで検討して頂く「症例検討会」を企画したいと考えています。こちらは将来の間脳下垂体腫瘍研究に携わって頂く若手の先生方に多くご発表して頂き、本学会の将来を担う人材発掘に努めます。
横浜の学会と言えば、みなとみらいが定番ですが、本来の横浜は馬車道、中華街、元町あたりを指し、歴史ある建造物が多く立ち並びます。今回学会会場としましたワークピア横浜は中華街の入り口にあり異国情緒漂う場所です。学会期間中に中華街でのお食事や開港記念会館、氷川丸、外人墓地等を散策頂きdeepな横浜を堪能して頂ければ幸いです。
 多くの先生方に歴史ある横浜の地でお会いできることを楽しみにしています。
                                         20241月吉日


35回日本間脳下垂体腫瘍学会
会長 岡  秀宏
北里大学メデイカルセンター脳神経外科学部長
北里大学医学部脳神経外科学 教授











学会事務局
第35回日本間脳下垂体腫瘍学会
北里大学メディカルセンター
脳神経外科内
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