北里大学 医学部 公衆衛生学

教室紹介

教室紹介

《公衆衛生学教育について》
 公衆衛生学は、疾病の治療を目的とする臨床医学と違い、疾病予防を目的とし、かつ健康の保持増進を図る技術であることを理解してもらうことを目標においています。健康に関与する要因は生存環境中の物理的、化学的、生物的な諸要因であり、これらが疾病の発生と悪化に深く関与し健康の保持増進に最も大きく影響しうることを学びます。さらに、現代社会における社会経済的要因と健康との関連の重要性も理解してもらいたいと考えています。
 講義においては広範囲にわたる分野(保健統計、疫学、地域保健・保健行政、母子保健、学校保健、老人保健・福祉、精神保健、国際保健医療、保健医療制度)を、医師国家試験の範囲を網羅するように講義計画を立てています。集団全体の健康問題を評価でき、予防医学上の課題を自らとらえ解決していくことができる医師を養成することを目標としています。
 実習においては知識を実践に活かすことを目標として、4年次では「予防医学」の科目の中で、衛生学単位と共同で疫学演習、環境測定の実習を行い、5年次には同様に「公衆衛生学」実習の中で、行動変容、栄養指導、健康指導の演習、北里研究所病院での予防医学・漢方医学・スポーツ医学実習、を行っています。6年次の選択臨床実習では、内郷診療所での地域医療実習、相模原市保健所での保健所実習、北里大学東洋医学総合研究所での漢方実習を、それぞれ1週間実施しています。

《公衆衛生学研究について》
 公衆衛生の目的は、組織的な社会努力を通して集団の健康を改善することです(Winslow)。その対象とする領域は広く、疾病の予防から社会復帰、医療体制の効率化、医療資源の適正分配、感染症や災害医療を含む新たな健康問題に対応するための法整備や制度改革などが含まれています。こうした課題に対して集団のデータを基に、計画立案、実施、評価、改善を行います。
 当教室では、予防医学に重きをおく北里大学医学部の基本理念に則り、労働者の健康の社会格差のメカニズムの解明と制御に関する研究、職業性ストレスの健康影響とその予防に関する研究、労働者の健康に影響を与える企業の組織風土に関する研究、中途障害者・難病患者などの就労支援のあり方に関する研究、労働者の慢性腎臓病に関する研究など、幅広いテーマについて、それぞれのスタッフの関心分野に応じた研究活動に取り組んでいます。


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