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研究内容

研究内容

研究について

 本研究室では、ヒト発がん機構の解明を目指し、培養細胞・実験動物・臨床検体を用いて、分子生物学的手技、細胞生物学的手技、免疫組織化学的手技を取り入れて様々な角度から研究を行っています。そして、将来のがん予防とがん治療に貢献することを目指しています。

DNA損傷と発がん

 DNA損傷は、様々な内的・外的要因により常に細胞内で起きている現象である。DNA損傷から発がんに至るメカニズムとして、損傷を受けた遺伝子に突然変異が導入され、その変異遺伝子がコードする蛋白の機能異常が起こり、細胞のがん化が誘導されることが考えられる。
 大腸菌、酵母からヒトに至るまで、すべての生物の細胞には、DNA損傷を修復して自己の遺伝子の情報を守るシステムが備わっている。それがDNA修復システムであり、DNA損傷の種類により塩基除去修復、ヌクレオチド除去修復、組み換え修復等が作用し、遺伝情報の恒常性を維持している。さらに、これらのシステムにて修復されなかったDNA損傷部位では、損傷に対する耐性(トレランス)システムが働き、細胞を死から守る働きを担っている。しかし、このDNA損傷トレランスシステムは、細胞を死から救う代償として、時に突然変異を導入してしまうというリスクを持っている。蛋白コード領域に突然変異が導入された場合には蛋白機能異常を来し、将来のがん化やその他の多くの疾患を発症させる一因となっている。
 当研究室では、DNA損傷トレランスシステム、特に損傷乗り越え型DNA合成に着目し、がん発生過程において損傷トレランスシステムがどのような役割を担っているのか解明することを目指している。

がん関連タンパク質CD109の機能解析

 CD109は細胞膜表面に存在するGPIアンカー型糖タンパク質である。CD109の発現は、ヒト正常組織では、ある種の血液系細胞、乳腺・唾液腺などの筋上皮細胞、気管支上皮・前立腺の基底細胞など、限られた細胞に確認されるのみであるが、腫瘍組織では、肺、口腔などの扁平上皮癌をはじめ、膀胱尿路上皮癌、乳癌、類上皮肉腫等、種々の腫瘍での発現が報告されている。さらに、血小板表面抗原抗原(HPA-15)として、新生児自己免疫性紫斑病、輸血後紫斑病の原因分子となっている。その機能として、ケラチノサイトを用いた研究にて、TGF-β1シグナルを抑制することが明らかになっている。
本研究室では、腫瘍組織におけるCD109の発現の意義と発がん過程における役割の解明を目指して、研究を展開している。

ヒト腫瘍発生に関与する分子の同定

 本研究室では、臨床検体を用いて、肺癌、胃癌、大腸癌、胆嚢・胆管癌、胸腺腫など、幅広いヒト腫瘍の発生に関係する分子の同定を行っている。

将来の臨床応用を目指した基礎研究を行っています。

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