テレワークによる課題と好事例
在宅勤務によりアルコール依存症が顕在化した例
キーワード/アルコール依存 業種/製薬業 規模/1000名
緊急事態宣言の発出により、人事、総務、経理などの事務職や、研究開発職は一斉にフルタイムの在宅勤務となった。
もともと、γGTP高値を指摘されていたAさんは、毎年保健指導を受けていた。
保健指導では、毎日1リットル程度ビールを飲んでいると言っていて節酒を勧められていた。
この会社では、在宅勤務はアルコール依存症を顕在化させるのではと危惧した産業保健職が、いわゆる「大酒家」(毎日5合以上なおかつ10年以上の飲酒歴を持つ)として把握している従業員に対して、面談をすることにした。
その結果、Aさんから、昼ご飯を食べるときに飲酒をしてしまうとの相談を受けた。
日中の飲酒は家族からも止められているが、妻が日中はパートに出ていて、一人でいるためどうしても飲んでしまうとのことであった。
産業保健職が上司に相談をすると、仕事の進捗が遅くなっているとの報告があった。
そのため、本人の同意のもとで上司にも事情を説明して、感染対策を十分に行った上で、A氏には原則出勤してもらうように配慮をしてもらうことになった。
その後、在宅勤務から出勤に切り替えたことにより、日中の飲酒については無くなり、仕事の進捗についても、依然と変わらない状態になった。