北里大学医学部薬理学
大学院医療系研究科分子薬理学
Department of Pharmacology, Kitasato University School of Medicine
Department of Molecular Pharmacology, Graduate School of Medical Science Kitasato University

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更新日 2019-01-21 | 作成日 2010-01-14

教育内容

 薬理学は病気に薬がどのように効くかを研究する学問といえるが、また薬物を研究手段として疾患の発症機序を解明する学問とも言える。発症機序の解明に立脚し、新しい治療薬も生まれる。薬に作用の仕方を整理して、細胞膜上、さらに細胞内での情報伝達経路など、薬が分子レベルでどのように作用しているのかを学生に理科させることに教育の主眼をおいている。むやみに薬物名を学生に詰め込むことをさけ、基本的な薬物の作用機序を、学生が消化不良を起こさぬように配慮して教育している。各講義においては、ミニマムリクアイアーメントを明示している。

 また、ほとんどすべての薬は必ずといってよいほど副作用がある。副作用はどうして起こるか、それを防ぐにはどうすればよいかも教育の対象になる。一方、新しい薬の効果や副作用は、初めは動物で試験されるが、そのあとすぐに患者に投与されるのではなく、健康な人から、少数の患者、多数の患者へと、その安全性と効果を見極めながら次第に経験を積み、有効で且つ安全であるとき初めて国から一般の意思に使用が許可される。この分野を「臨床薬理学」というが、これも教育対象にしている。

 医学部第3学年の学生を対象に、4月から薬理学の講義が行われる。薬理学は総論の他に、本学医学部の特徴である器官系別総合教育(系別総合)のなかで各論が教えられる。薬理学総論では「薬の作用とは何か」「薬は体によってどのように処理されるか」など本来の薬理学総論の他、「体の基本的情報伝達の仕組み」について講義が行われる。東洋医学の概論も含んでいる。1コマ80分で全24コマが総論にあてられる。原則としてすべての講義を行っている。カラー図譜、ビデオを用いた講義を特色としている。一方、系列総合ではいわば薬の各論の教育が行われる。臓器別の講義が行われ、系議長の交代などに伴い年度により多少のコマ数の変動があるが、総時間数は25コマであり、その内訳は例えば平成17年度の場合、神経系II;10コマ、循環系5コマ、造血血液系1コマ、内分泌系3コマ、消化系2コマ、感染免疫系1コマ、呼吸系1コマ、運動系1コマ、腎尿路系1コマである。

 第3学年の10~11月にかけて薬理学実習が行われる。学生を大きく4グループにわけ、「コーヒーの中枢興奮作用」を除いて、2週間で実習8項目をローテートしている。各グループの学生はさらに4~5名からなるスモールグループにわけ、学生自ら能動的に知識を身につける様にしている。実際に取り出した動物の筋肉や心臓を用い、あるいはウサギの呼吸血圧を手術室と同じような方法で測定しながら薬の効果を実体験させている。4グループでローテートさせることにより、東病院の臨床薬理治験施設を使った新しい実習が可能になった。治験参加の同意をとるロールプレイを含む治験に関する実習は、特に学生の好評を得ている。実習については、各実習ごとにレポートを課し、12月中旬に行う口頭試問とあわせて評価している。口頭試問では、学生の実習内容のプレゼンテーションに評価の主体をおいている。